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スタッフコラム

2026.09.27

子どものサプリメントシリーズ:ジュニアプロテイン、子どもに必要?

「成長期なので、プロテインを飲ませた方がいいですか」

小学生のお子さんを診察していると、「ジュニアプロテインを飲んでいます」と伺う機会が増えました。

📌 結論からいうと、普段の食事がとれている子どもの多くには、プロテインは必要ありません。成長期の体づくりにたんぱく質は欠かせませんが、まずは食事からどのくらいとれているかを見てみましょう。

子どもに必要なたんぱく質の量

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、1日あたりのたんぱく質の推奨量は次のように設定されています。

年齢 男子 女子
6~7歳 30g 30g
8~9歳 40g 40g
10~11歳 45g 50g
12~14歳 60g 55g

推奨量は、ほとんどの人が必要量を満たせるよう、余裕をもって設定された量です。少し下回る日があっても、すぐに不足になるわけではありません。

普段の食品に含まれるたんぱく質は、おおよそ次の通りです。

・卵1個:約6g

・牛乳200mL:約7g

・納豆1パック(40g):約7g

・ごはん150g:約4g

・鮭1切れ(生で80g):約18g

・鶏もも肉(皮なし、生で80g):約15g

肉や魚だけでなく、卵、乳製品、大豆製品、ごはんやパンからも、たんぱく質はとれています。朝食の内容や肉の好き嫌いといった一部分だけでは判断できません。給食や夕食も含めた、普段の食事全体で考えます。

日本の子どもの摂取量は、推奨量を上回っている

令和6年国民健康・栄養調査では、7~14歳のたんぱく質摂取量は、男女を合わせた平均で1日71.3gでした。この年代の推奨量(30~60g)を上回っています。

平均値なので、一人ひとりが十分にとれているとは限りません。それでも、「成長期の子どもは、食事だけではたんぱく質が足りない」とは言えないことがわかります。

プロテインで身長は伸びるか

たんぱく質は、筋肉や骨、臓器をつくるもとになる栄養素です。不足すれば、成長に影響することがあります。

一方で、必要な量をとれている健康な子どもが、プロテインを追加して身長がさらに伸びるという根拠はありません。背を伸ばす目的でプロテインを飲ませる意味は、ほとんどないと考えてください。(→「『身長が伸びる』サプリメントはある?」)

スポーツをしている子の場合

運動量の多い子どもでは、たんぱく質の必要量が増えると考えられています。ただし、根拠となる研究の多くは思春期の選手を対象としたもので、小学生にそのまま当てはめられるかはわかっていません。

まず確かめたいのは、食事の量そのものが運動量に見合っているかどうかです。エネルギーが足りていれば、増えた分のたんぱく質も、多くの場合は普段の食事で補えます。練習の後に夕食まで時間が空く場合は、おにぎりと牛乳、パンとヨーグルトといった補食も役立ちます。

ジュニアプロテインの中身を確認する

一般的なプロテインパウダーは、ホエイ(牛乳由来)や大豆などを原料に、たんぱく質を手軽にとれるようにした食品です。

市販の「ジュニアプロテイン」には、たんぱく質に加えて、カルシウム、鉄、ビタミンDなどを加えた製品が多くあります。代表的な製品では、1回分のたんぱく質は6~8g程度です。ただし、1日2回、牛乳に溶かして飲むことを目安にしている製品もあります。その場合、牛乳の分も含めて1日に20g前後のたんぱく質が加わり、カルシウムや鉄も同時に増えます。ある製品では、1日2回分で鉄が約9mg、カルシウムが約900mg(ココア味)含まれ、どちらも小学生の1日の推奨量に近いか、それを上回る量です。

給食の牛乳や家庭での乳製品、ほかのサプリメントと合わせると、同じ栄養素をいくつもの食品からとることになります。使う場合は、1回分ではなく1日の合計で確認してください。(→総論「子どもにサプリメント、飲ませる前に知っておきたいこと」)

食事とプロテインの関係

プロテインパウダーのたんぱく質は、食品のたんぱく質と比べて特別なものではありません。手軽に一定量をとれることが利点です。

卵、魚、肉、牛乳、大豆製品などの食品からは、たんぱく質と一緒に、ほかのビタミンやミネラル、脂質などもとれます。普段の食事で必要量をとれている子どもであれば、プロテインを追加する必要は通常ありません。

また、学校から帰ってプロテインを飲み、そのせいで夕食が進まなくなると、かえって食事全体が乏しくなります。

腎臓への影響

健康な子どもが適量のプロテインを飲んで、腎臓を悪くするという根拠はありません。ただし、必要量を大きく超える量を長く続けた場合の安全性は、子どもでは十分に調べられていません。腎臓の病気がある場合は、主治医に相談してください。

栄養状態を確認したいとき

食事量が少ない、食べられる食品が極端に限られている、複数の食品を除去している、身長や体重の伸びが思わしくない。こうした場合は、食事内容と成長の経過を確認します。

その際は、たんぱく質だけでなく、エネルギーや鉄、カルシウムなども含めて、何が不足している可能性があるのかを考えます。偏食がある場合も、足りていないのはたんぱく質とは限りません。鉄や、野菜や果物からとるビタミン、食物繊維などが不足していることもあります。

確認の結果、食事だけでは必要な量をとるのが難しい場合には、プロテインを含む栄養補助食品が選択肢になることもあります。

食物アレルギーがある場合は、原材料にも注意が必要です。ジュニアプロテインの多くは、牛乳由来のたんぱく質(ホエイ)や大豆を原料にしています。

⚠️ 牛乳アレルギーのお子さんでは、医師の指示や栄養指導のもとで、食べられる範囲の乳製品をとり続けていることがあります。プロテインには乳たんぱくが濃縮されて含まれているため、これまで食べていた量とは乳たんぱくの量が大きく変わることがあります。自己判断で使わず、主治医にご相談ください。(→「食物アレルギーで除去している子どもの栄養」)

まとめ

たんぱく質は成長に欠かせない栄養素ですが、多くの子どもは普段の食事で必要な量をとれています。

プロテインを考える前に、まず普段の食事を振り返ってみてください。そのうえで使う場合は、1日にどれだけのたんぱく質やビタミン、ミネラルが加わるのかを確認し、その子に本当に補う必要があるのかを考えてみましょう。


シリーズ「子どものサプリメント」

関連シリーズ

・乳幼児の栄養(準備中)


参考文献・参考資料

1. 厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. 2024. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html(2026年9月27日閲覧)

2. 文部科学省. 食品成分データベース(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年). https://fooddb.mext.go.jp/(2026年9月27日閲覧)

3. 厚生労働省. 令和6年国民健康・栄養調査報告. 2026. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r6-houkoku_00001.html(2026年9月27日閲覧)

4. 日本小児内分泌学会. 「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解. 2013年3月29日公表, 2025年9月8日改訂.

5. Desbrow B, McCormack J, Burke LM, et al. Sports Dietitians Australia position statement: sports nutrition for the adolescent athlete. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2014;24(5):570-584.

6. 株式会社明治. ザバス ジュニア プロテイン 製品情報. https://www.meiji.co.jp/sports/savas/products/muscle_sports/junior.html(2026年9月27日閲覧)

7. 森永製菓株式会社. ウイダー ジュニアプロテイン 製品情報. https://www.morinaga.co.jp/weider/products/junior/(2026年9月27日閲覧)

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